動画中、日本語で「中間貯蔵施設」としていますが、中間貯蔵施設なら再度取り出すことができるように貯蔵する筈。しかし、この施設は廃棄物を再度取り出すようにはできていません。つまり、設計段階では最終処分場として建設されたものだということです。
かつてドイツは原子炉廃棄物の最終処分場を建設したことがあります。
Schachtanlage ASSE Ⅱ
というのが、そのサイトの名前です。
核廃棄物の最終処分場として何億年も安定だったとされる岩塩鉱山を選び、
周到に計画して処分を行った筈だったのだが、、、
かつて最終処分場があった映画『100000年後の安全』で取り上げたられたフィンランドのオンカロが、世界で唯一の放射性廃棄物最終処分場として注目されています。
そんな中で、「かつて最終処分場があった」という話題に焦点を合わせます。オンカロの前に「あったはずだった」最終処分場のお話です。
実はドイツに、低・中レベル放射性廃棄物を地層処分(放射性廃棄物を地下深くで半永久的に保管する)する最終処分場があったのです。20年ほど前までは…
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動かない筈の岩塩層には亀裂が走り、大量の地下水が流入、
ドラム缶は腐食、損壊し、廃棄物は地下水中に流出、、、
しかも、埋設したものを掘り出すことなど、当初の計画には全くなかったので、
掘り出して再度、処分をし直すことも非常に困難、というか事実上不可能。
もちろん、ドイツではその技術を開発する必要があるとして、
多額の予算を投入して試験を繰り返しているところだそうです。
ドイツが脱原発に踏み切ったのには、
こうした背景もあったのですね。
高度な技術、なおかつ周到な下調べを行っても、
このような事態を招いたこと。
まさに将来へのつけを残してしまったという大きな反省にもとづいて、
今、その対策をしなければならないのですから、
このうえ、さらに核廃棄物を増やしてしまう原発稼働など、
とんでもないことと考えるのは、とても自然なことだと思います。
現在、日本では安易に
「最終処分場は福島(原発構内および周辺)に」、
などと発言する人たちがいますが、ことはそんなに簡単ではありません。
当然、「
再稼働なければ未来ない」などと、
全く無知をさらけ出す自由民主党幹事長という人物には
ただただあきれるばかりです。
国立国会図書館 海外立法情報より:
【ドイツ】アッセ放射性廃棄物処分場の閉鎖のための原子力法の改正 (pdf)
公益財団法人 原子力環境整備促進・資金管理センター:
ドイツでBfSがアッセⅡ研究鉱山の閉鎖オプションとして 廃棄物の回収を選択
マルチーヌ ドギオーム
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