モンゴルというと、大草原と馬、羊、そしてパオに暮らす遊牧の民
そんなイメージをついつい思い浮かべてしまう人が多いかもしれません。
モンゴルは、東欧諸国と同様に社会主義をやめてしまいましたが、
まだ、いろいろな問題を抱えているようです。
たとえば、皮革製品の輸出は、高い技術とあいまって、
かつては大規模な国営の加工場があったのですが、
今は見る影もありません。
ほとんどの皮革は原皮のまま、中国やイタリアに送られてしまうのです。
どういうことかというと、社会主義の時代には、国家が買い上げ、
国営加工場でなめすなどして、付加価値をつけて輸出していたのが、
原皮の仲買人が畜産農家から直接買い付けるようになったため、
農家の現金収入は少しだけ増えましたが、皮革の輸出総額は激減し、
加工工場はほとんどが閉鎖に追い込まれたといいます。
大都市近郊や農家では自給用の野菜が植えられていますが、
生産量はひどく少なく、良質な国産の野菜は高価なため、
都市住民は安い輸入物を買うようになっているのだそうです。
遊牧の民と都市生活者、その両立だけでも困難を極めると思うのに、
土地所有制度も不完全な状態ということなので、
まだまだ困難な時代が続くのではないでしょうか。
モンゴルの連合大学機構の先生から話を聞いて思ったことです。