8メートルの津波が八戸港を襲ったとき、
「ちきゅう」はどうしたか。
当初、津波の予想高さは1メートルだったので、
接岸したままにしようと判断した。
ところが、高さが8メートルに修正される。
離岸しなければ!
しかし、津波が既に見えている状況で、
係員を岸壁におろすわけにはいかない。
係留索を出せるだけ出して、最後の細くなったところで断ち切った。
離岸はしても港内から外海に出る時間的余裕はない。
港内の広いところに投錨するが、役には立たない。
港内はまるで洗濯機の中のよう。
常にエンジンをかけて、
動きを打ち消す方に、速度を増さない方向にと操船する。
津波が収まっても。着岸する岸壁はない。
翌朝、自衛隊のヘリが着艦して見学の小学生たちを帰すことができた。
結果として、多少の損傷はあったものの、
船体も、乗員も、そして見学の小学生たちも、すべて無事であった。
いい話だ、、、
3月11日に何が起きたのか 「ちきゅう」を襲った大津波 (CDEX WEBマガジン 地球発見)
東日本大震災が発生したとき、「ちきゅう」は青森県の八戸港に着岸していた。高さ8m超の津波のために港内は一時的に洗濯機のごとく濁流が渦巻く状態になったが、船内見学のために来訪していた小学生48人を含む乗船者全員が無事。船体の損傷も最低限に抑えられた。あの日、「ちきゅう」の船内では何が起きていたのか、恩田裕治船長にお話しいただいた。
(2011年12月 掲載)
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