上の図は
太陽光発電協会 (JPEA) がHPに掲載している太陽電池の総出荷量推移です。
別の資料によれば、2010年度の総出荷量は2,538,814kW
つまり、約254万kWということになります。
このうち国内出荷が106万kW、うち個人住宅用途が86万kWですよ。
(2010年度の新規分だけですよ)
少なくとも、夏のピーク時間帯に、
これらの個人住宅がピーク削減に効いていることは間違いありません。
ところで、それじゃあ、とっくにピークなんてなくなっているんじゃないかと思うでしょう。
そうはいかないのですね。
実は2005年以降、国内出荷が輸出を下回り、
それどころか国内出荷が2007年までは落ち込んでいるのです。
このあたり、政策的な問題がおそらくはあったと思われます。
ようやく、2008年以降は国内出荷が持ち直してくるのですが、
この頃、実は大量のモジュールが海外に流出してしまっているのですね。
つまり、海外では全く需要が衰えることはなく、
継続的に太陽電池を必要としていたということになります。
(16年間で、1000万kWが輸出されてしまったという記事を見たことがある)
また、同じ資料は恐ろしい事実を明らかにしています。
現在、シリコン系の太陽電池は結晶系とSi薄膜が主力ですが、
2011年1-3月期において、
結晶系は国内出荷(輸入含む)と輸出がどちらも約26万kWとほぼ均衡しているのに対し、
Si薄膜は国内出荷が8,601kWに対して、輸出が75,838kWと9倍もの開きがあります。
より高効率で、しかもSi使用量が少ない省資源のSi薄膜電池はほとんどが輸出に回り、
国内需要は結晶系でまかなっているという現実がわかりますね。
これも、太陽電池はコスト高という「神話」の元になっているのではないでしょうか。
2011年3月末時点での生産能力は2010年度実績の倍を超える576万kW、
2012年3月末時点ではさらに増えて870万kWを予定しています。
生産能力の拡充は、既定路線で進んでいるのであり、
コスト問題も量産効果でかなりカバーできるはず。
なにより、国内需要に回すことで回収、再利用などの仕組みも作りやすいですよね。
太陽光発電の振興策こそ必要で、妨害することは有害でしかありません。
まあ、太陽光発電にしろ、風力発電にしろ、
大きなものばかり考える人は、もう引退してください。
水力にしても、風力にしても、使用者レベルで必要なだけの装置を用意する、
分散型の小規模発電が主力になるべきでしょう。
せっかく、本職の電力会社というものがあるのですから。
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