11月29日に観に行くつもりだったのですが、
結局一日延期で、30日の夜、行ってきました。
いやぁ、遠いですね。あんな不便なところ、もう行きたくないや。
とさえ思ってしまう、
恵比寿ガーデンシネマ。
どうしてあんなに遠いんでしょう。
あだしごとはさておきつ、
お目当ての作品は
「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」
(原題:MONSIEUR IBRAHIM ET LES FLEURS DU CORAN)です。
見に行く前は、いや、観終わるまでは、
「花たち」を、
美しいムスリムの女性たちのことなんだろうと
勝手に思いこんでいた私です。
実際には神の啓示に示された「エッセンス」あるいは「美学」みたいな感じなのでしょうか。
戒律主義の父親からモイーズ(モーゼ)という名を与えられたユダヤ人少年だが、
スーフィーのイブラヒムおじさんは彼をムハンマドの愛称「モモ」で呼ぶ。
イブラヒムはモモを連れて旅をする途中、いろいろな宗教の礼拝堂にモモを連れて行く。
ギリシャ正教会、カソリック教会、そしてもちろんモスクも。
いろいろな宗教に触れさせるのはなぜだろう?
そう、ユダヤ教徒だけでなく、キリスト教徒も仏教徒も、もちろんムスリムも、
みな自分の眼を開いて相手を、そして自分を人として見つめなおす必要があるのだろう。
メヴレヴィー教団の旋舞(音楽に合わせて回転しながら無我の境地に至る)も
出てきたりして、、、 楽しく、刺激的だった旅はある日突然終わりを告げる。
ムスリム(イスラム教)についての知識は私もほとんどありませんが、
ムスリムを原理主義とか、キリスト教と対立するものとしてしか見られない人には
イブラヒムおじさんの言動や行為はとても理解し難いものに映るかもしれません。
しかし、いや、
だからこそ、観て欲しい映画でもあります。
昨年12月公開にもかかわらず、アメリカで2003年の映画賞に数多くノミネートされたのも
そういう背景を踏まえながら、とても美しい芸術作品に仕上げてあるからでしょう。
宗教がどうのこうの、というのは時間が経ってからふつふつと心中に沸いてきますが、
映画を見ているときには、そんなことは全く感じず、
美しい映像と、主人公の表情豊かな(自然な)演技とに釘付けでした。
そういうわけで、ストーリーを追うだけでも十分に愉しめますが、
もう一歩、前に踏み出してそういったことを考えながら観ると
もっと愉しめる、そんな出来のよい映画でした。
全編に60年代の小気味よいリズムが流れ、
なるほど、ヒゲもじゃさんたち(ユダヤ教正統派)も歩いてるし、
娼婦たちの肌や髪の色もさまざまで
やっぱり、
ここはパリなんだよな、と思う一方で、
どこか懐かしさを感じる風景は「三丁目の夕日」と相通じるものがありました。
私は世代的に主人公より少しだけ若いはずなんですが、そのせいでしょうか?
ラストにかかる「
WHY CAN'T WE LIVE TOGETHER」(by Timmy Thomas)は
この映画のテーマそのものだったのでしょうか?
無神論者の子として生まれた
原作者 Eric-Emmanuel Schmittの、
宗教を求める旅はまだ続いているのでしょうか?
最後に一言。
この映画、泣けません。泣くことだけが感動じゃない、とだけ書いておきます。
Why can't we live together
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