こまかいことにこだわってみるのもいいかもね (2003年8月クルーガー国立公園 Photo: E. Bailey)
by HOOP
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 かつてスキンの絵柄が女性だったからといって女性が書いてるとは限らないだろ。これが意外どころか、そのものズバリの脂ぎった中年男だったりするのだ。まあ、気持ちだけはいつまでも14歳くらいだったりするんだけんども、そんなこと言われたって気味悪いだけだろうしな。

 あ、そういえば、ブログホイホイに捕獲されちゃいました。アクセスアップだけじゃなくて、けっこう面白いブログに出会えるから意外と使えるかもね。

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カテゴリ:Biology( 76 )
メスのペニス、オスのヴァギナ 〜新種トリカヘチャタテの和名は「とりかへばや物語」に由来する〜


メスがオスに乗駕してペニスを挿入する、普通の昆虫とは異なるというか、
全く逆の生殖行動を進化させた新種の昆虫がブラジルの洞窟で発見されたそうです。

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この交尾行動は1回のセッションが40時間から70時間も続くそうです。


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メスには伸縮する交尾器(雌ペニス、写真では先端を赤く染めてある)があります。
雌ペニスの根元には交尾中にオスを拘束するためのトゲが生えている。


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雌ペニスの先端はオスの体内に挿入され、
精子とともに栄養カプセルを受け取るために使われる。

この栄養カプセルを作ることが、オスの交尾回数を減少させ、
メスが交尾に積極的になるよう進化したということらしい。


北海道大学と慶應義塾大学によるプレスリリース:
交尾器が雌雄で逆転した昆虫の発見 - 北海道大学 (pdf)
(研究成果)
トリカヘチャタテは雌がペニス様の交尾器を持ち,これを雄に挿入することで交尾を行うことが明らかになりました。雌ペニスの根元には多くの刺が生えており,雌はこれを使って,交尾中,雄をしっかり拘束します。トリカヘチャタテの交尾時間は約40~70 時間と極めて長く,この長い拘束時間中に,雌ペニスに開いた管を通して,雌は雄から栄養の入ったカプセルを精子と一緒に受け取ります。栄養カプセルの贈与などにより,雄の生殖にかかるコストが上昇したことで,雄よりも雌の方が早いペースで再交尾が可能になったと考えられます。これにより,雌雄の交尾への積極性が逆転し,雌に強い性選択が働いたことが,交尾器構造の逆転を促したと考えられました。さらにトリカヘチャタテの雌雄の交尾器間には,相互に形が対応するように進化する,共進化の関係が見られました。交尾器の共進化は通常の生物でも見られますが,トリカヘチャタテでは交尾器の共進化においても,逆転現象が生じていました。
(今後への期待)
性の役割が逆転した生物の研究は,性選択理論の一般性の検証に重要な意味を持ちます。また,生物に一般的に見られる性差がどうして進化したのかに関する理解はまだ不十分です。性の役割が逆転した生物の研究は,性差が生じた進化的な背景を探る上で特に重要な意味を持ちます。また「挿入器の逆転」といった大規模な形態の変革は,進化的に極めてまれにしか起こりません。トリカヘチャタテの研究は,そのような進化的革新が生じた背景を探る上でも重要な意味を持ちます。
今回の発見は,応用的研究はもちろん,性選択理論の発展にも全く寄与してこなかった昆虫の,極めて基礎的かつ枚挙的な分類学的研究に端を発しています。生物多様性解明のための基礎研究の重要性が,改めて示されたものと考えています。
*平安時代の宮中を舞台に,姉弟が性別を入れ替えて暮らす様を書いた「とりかへばや物語」からとってトリカへチャタテと名づけた


Kazunori Yoshizawa, Rodrigo L. Ferreira, Yoshitaka Kamimura, Charles Lienhard
Female Penis, Male Vagina, and Their Correlated Evolution in a Cave Insect
Current Biology, Volume 24, Issue 9, p1006–1010, 5 May 2014

なぜか、ニュースから一年経ってしまいましたが、
そういう珍しい昆虫がみつかったことは、
二つの性の成り立ちや進化を研究する上で貴重な材料となることは間違いないでしょう。

どこにいるかって?
ブラジルの洞窟とだけは知っていますが、
ちょっとそこまで調べる時間が、、、

Wikipedia (Engish) のどこかにそれに触れた論文へのリンクがあるかも。


   


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by HOOP | 2015-04-08 23:12 | Biology | Comments(0)
カクレクマノミは、なぜイソギンチャクに刺されないのか
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ちょっと古いニュースで恐縮ですが、、、

イソギンチャクとクマノミ共生関係、長浜高生が解明
 ハタゴイソギンチャクを「隠れ家」にするカクレクマノミ。幸せな共生関係だけど、外敵を刺すイソギンチャクが、なぜクマノミだけ刺さないの? この謎に、水槽で両者を飼育・観察してきた愛媛県大洲市の長浜高校水族館部の1年生2人が挑戦。論文は高く評価され、昨年末、第58回日本学生科学賞高校の部で、最優秀の内閣総理大臣賞に輝いた。
 論文を書いたのは、重松夏帆さん(16)と山本美歩さん(15)。地元の名所となった校内水族館を管理する水族館部の研究班員だ。共生の謎には部の先輩も挑み、クマノミが出す粘液のタンパク質に関係があることまでは突き止めていた。
 今回、2人はイソギンチャクの方に着目。海水がどんな状態の時にイソギンチャクが刺すのか、触手をさまざまな溶液に浸し顕微鏡で観察。刺す程度や刺すまでの時間を調べた。


どうも、継続的に同じテーマで研究してきたみたいですね。

3年前の記事なんですが、

長浜水族館の復活を目指して!(平成23年度社会貢献青少年表彰)
愛媛県立長浜高等学校水族館部
(愛媛県推薦)


 私たちの住む長浜町には、昭和10年に四国初の水族館「長浜水族館」が誕生し、町のシンボルとして町民に愛されていましたが、昭和60年に老朽化を理由に惜しまれつつ閉館しました。

 「我々で水族館を復活させよう!」こうして平成11年に誕生したのが、日本初の高校内水族館=長高水族館です。

 長高水族館は約150種、2,000点の生物を飼育展示し、部員の一人一人が担当の水槽を持ち、日々その管理を行っています。毎月第3土曜日の11:00~15:00に一般公開し、部員が水槽ごとに解説を行います。多いときには、1日に400人を超えるお客様がいらっしゃることもあり、中には遠く韓国からいらした方もいました。水族館は、子どもからお年寄りまで幅広い年齢層に好評で、部員一同やりがいを感じています。

 水族館部は、研究活動も行っています。今年は、国内最高権威の科学コンクールである日本学生科学賞において、カクレクマノミがイソギンチャクに刺されない仕組みを明らかにし、全国大会で環境大臣賞をいただきました。

 私たちは水族館部の活動を通して、生物の成育技術や命の尊さ、お客様に解説するためのコミニュケーション能力など、多くのことを学んでいます。正月も登校するなど、水槽の維持管理は大変ですが、お客様に喜んでいただけることを励みに頑張っています。受賞を機に、今後さらに多くの人に喜びと感動をご提供できるように、水族館を盛り上げていきたいと思います。

 将来は、高校でイルカが飼えたらいいなと考えています。イルカとのふれあいを通して、多くのことを感じ、学べたらすてきだなあと夢見ています。また、私たちの活動が町のシンボルであった「長浜水族館」の復活につながることを期待しています。


となると、この研究のどこがキモで内閣総理大臣賞を受賞したのか、
そこがとても興味深いのですが、、、

手がかりはこの写真くらいですかね。

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長高水族館 Facebook pageより)


もちろん、この学校の生徒さんなら、ニモがカクレクマノミではなく、
クラウンアネモネフィッシュだということをきちんと説明できるに違いありません。

5月には、米国で発表するそうですよ。

世界大会出場決定しました!
日本学生科学賞で内閣総理大臣賞を受賞したチームニモの研究が、Intel ISEF(インテル国際学生科学技術フェア)に派遣されることが決定しました。
世界大会は、5月10~15日にアメリカのピッツバーグで開催されます。
5月に向けて、英語での書類作成、ポスター作成、プレゼンテーション、質疑応答など準備することが一杯です!


  


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by HOOP | 2015-02-10 20:34 | Biology | Comments(0)
柿の木
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カキノキ(Diospyros kaki Thunb.)は東アジア原産で、
特に中国は長江流域に自生するという。

学名に kaki が使われているのは、18世紀にヨーロッパ、19世紀に北米に、
それぞれ日本から紹介されたからだという。

このカキノキ(Diospyros)属の植物で、
雌雄異株の雄株か雌株かを決定する遺伝的機構が
京都大学やカリフォルニア大学Davis校の研究者らによって明らかにされたという。


Takashi Akagi, Isabelle M. Henry, Ryutaro Tao, and Luca Comai.
Science Vol. 346 no. 6209 pp. 646-650, DOI: 10.1126/science.1257225
A Y-chromosome–encoded small RNA acts as a sex determinant in persimmons

筆頭著者である京都大学農学研究科果樹園芸学分野の赤城剛士さんは
以下のように説明していらっしゃいます。
 Y染色体にコードされる小分子RNAがカキにおける性決定因子である
 性染色体によって制御される植物の性決定(雌雄異株性)は古くから研究されていますが、その遺伝的決定因子はいずれの植物種においても未同定でした。本研究では、日本人には馴染みの深い「柿」とその同属植物群において、その決定因子を同定しました。


あれれ?

柿の木に雄株なんてありました?

実の成らない柿の木って見たことがないような気がするのですが、、、


Wikipediaでは、カキノキは雌雄同株であると断定しています。

たしかに、雄花と雌花があるようで、
しかも雌花だけしかつけない品種があるようですが、
雄花だけしかつけないカキノキはないようなのです。

カキの花のはなし(奈良県)
3月も半ばになり、これから春本番という季節になりました。露地の果樹も芽が萌えはじめ、樹々の緑が美しい時期を迎えます。カキも同様に新芽が伸びはじめ、蕾が大きくなるとまもなく花の咲く季節を迎えます。

さて、これから咲く花はいったいいつからできているのでしょうか?実は、雌花の基は前年の6月下旬~7月頃にできはじめます。その後7月の下旬頃まで分化し、いったんお休みして越冬します。そして、3月上旬以降芽が動き出す時期に花びらなどができはじめます。そして4月下旬頃に花全体がほぼ完成して、5月の開花準備ができるわけです。つまり、花が咲いてからすぐに準備にとりかかり、なんと!1年近くかけて作っているのです。

 ところで、カキには雌花と雄花があるのはご存じでしょうか?一般的に花というと、雄しべと雌しべがある花を思い浮かべる方が多いと思います。しかし、カキには種類によってはまれに雄しべと雌しべを持った花もあるのですが、基本的には雌花だけか雄花と雌花の両方を咲かせるものがほとんどで、中には雄花だけのものもあります。主な品種別では「刀根早生」、「平核無」、「富有」、「次郎」等は前者であり、「西村早生」、「筆柿」等は後者に属します。

 また、カキは確実に実を成らせ、果実の太りと形などを良くするために、受精させて種子を必要とするものと、そうでないものに分けられます。皆さんがよく食べている甘柿の「富有」は雌花の咲く時期の合う花粉量の多い品種を混植するか、雄花から花粉を採ってそれを人工授粉しなければなりません。一方、受精しなくても実の着く「刀根早生」、「平核無」等は授粉の必要がないのです。このように、カキの品種によっても栽培管理が違うわけです。5月中~下旬頃写真のようにかわいい白い花が咲きますので、ちょっと見られてみるのもいかがでしょうか?


では、この研究はどうやって行われたのでしょう?

実はカキノキに近縁ですが、果実が小さく渋が強いために通常食用にはされない
マメガキ(Diospyros lotus)を研究対象としたようです。

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ご近所のマメガキ


マメガキは雌雄異株で、雄株が近くにないと実がならないのだそうです。

この研究は、次世代シーケンサー(NGS)を駆使した研究での成果だそうで、
新たな研究手法としてやはりかなり強力なツールだということがわかりました。

植物で初、雌雄異株性の性決定因子を柿において発見(京都大学)





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by HOOP | 2014-11-12 08:56 | Biology | Comments(0)
原発? 核開発?


そんなもの、今すぐ止めてしまえ!

現実が恐ろしくないのか?


地球をどうするつもりなんだ?


レミングのように自殺することになる前に、
考えるべきことがあるのではないか?


地球上の、他の生命を犠牲にしてきたのは
自分たちが生き延びるためだったはず。

もし自殺するのだとしても、
他の生物を道連れにしない方法を真剣に考えろよ!







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by HOOP | 2012-09-05 04:19 | Biology | Comments(0)
馬が勝つ条件



そこに遺伝子があるとすれば、、、


ミオスタチン遺伝子の多型が、成績と関係している。

少なくともある程度の関連があるのは間違いないのだが、
それでは、というと成功する馬はどうもヘテロじゃないかと。

早い方にホモの馬はクラシック以上の距離では不利になるのかも。


難しいですなぁ。





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by HOOP | 2010-09-25 21:39 | Biology | Comments(0)
虎毛(とらげ)の話
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今年の干支は寅年、という話題は8月にもなればすっかり季節外れ。かといって来年の干支の話にはまだ早いので、「虎」にかかわる話をしてみよう。

馬の毛色にも「虎毛」があることをご存知だろうか。日本では辞書に、とら-げ【虎毛】②馬の毛色。全体が薄墨色で、虎の毛のような斑紋のあるもの。(広辞苑 第三版)とあるように、古くはグレーがかった馬で色の濃淡が斑紋になっているものを言った。そのため、「連錢葦毛ハ虎毛(とらげ)馬也。色青黒(あをくろ)にして銭(せに)を併(なら)へたるごとき斑文(はんもん)あり。」〔『庭訓往來精注鈔』三十六ウ一〕のように、虎毛は連銭芦毛(れんせんあしげ;円形の淡色部分が連なった斑紋を形成する芦毛、英語でdappled gray)のことだと決めつける書物もある。大陸には虎毛の馬が実在しても日本にはいないため、文字で書かれた特徴に近い毛色を当てはめたのかもしれない。

さて、英語ではbrindleと呼ばれるこの「虎毛」、馬の親子判定担当者にとっては厄介な毛色のようだ。そもそも、虎毛は犬や牛ではそれほど珍しい訳ではないが、馬では極めて珍しい毛色だ。米国で登録されたクォーターホース470万頭のうち、虎毛馬はたった15頭しかいない。また、虎と言えば、虎はもちろん、イエネコなどネコ科動物の鮮明な模様を思い浮かべるかもしれないが、虎毛馬にはシマウマのような鮮明な縞模様はない。濃い色と薄い色の被毛がまだらに交錯する様子は、猫よりは犬や牛の虎毛とむしろ似ている。今回の事例は、この珍しい虎毛の種雄馬と虎毛の繁殖雌馬、虎毛同士を交配するという、きわめて稀な組合せだったために起きたと言え、虎毛の原因についても貴重な示唆を与えるものとして紹介する。

2004年に生まれた子馬はカリフォルニア大学で行われた親子判定の結果、父親であるはずのDunbars Gold(虎毛)との親子関係ばかりか、母親であるはずのSharp One(虎毛)との親子関係まで「否定」とされた。判定用の毛髪試料を他の馬と取り違えたか、そもそも交配時に精液を取り違えたか(人工授精のため)、などの可能性を考慮したが、それらの取り違えはあり得ないにもかかわらず、再判定でも親子関係が否定された。相談を受けたCecilia Penedo博士は即座に、両親の極めて珍しい毛色に注目した。虎毛は珍しいばかりでなく、遺伝の仕組みもわかっておらず、虎毛の馬をかけ合わせて作出するのはほぼ不可能だからだ。

再検討はまず、父親であるDunbars GoldのDNA型検査から始まった。たてがみと尾の毛を使って2回検査を行ったが、2頭分のDNA型が検出されるという不可解な結果となった。そこで試料のコンタミを疑い、血液を試料として3度目の検査を行ったところ、ようやく1頭分となり、毛髪での結果と一部が一致した。しかしここで、Ceciliaは妙なことに気づいた。Dunbars Goldの判定結果は、性染色体に関係するマーカーが雌馬のパターンを示していたのだ。そこで、毛髪を1本単位で再検査してみたところ、あるものは完全に雄、またあるものは完全に雌と、それぞれ1頭分、計2頭分のDNA型を示していた。この時点で、Ceciliaはこの種雄馬が本来は2頭の馬になるはずだった、キメラ動物であることを確信した。このようなキメラは、二卵性双生子になるべき2個の受精卵が、なんらかの拍子に胎内で融合することにより生じるという。その場合、体の部分によってDNAの型が異なるのだ。もちろん、極めて稀なことだが、キメラが生じることはヒトやネコなど他の動物種でも報告されている。一部が異なる2種類の細胞由来のDNA型は、いずれもDunbars Goldとその両親との間の親子関係を否定するものではなかった。また、Dunbars Goldの皮膚および毛髪はキメラだったが、生殖器官は明らかに雄の細胞由来のDNA型を示していた。さらに、これまでに誕生していた産駒を数頭調べたが、すべてDunbars Goldの2種類の細胞のうち、雄の細胞由来のDNA型を受け継いでいた。

次に、同じように極めて珍しい虎毛の母親、Sharp OneのDNA型について検討した。Dunbars Goldの虎毛がキメラに由来しているとすれば、Sharp Oneも同じようにキメラである可能性が考えられるからだ。しかし、Sharp Oneの毛髪検査ではキメラであるという証拠は得られなかった。もしやと疑って、血液のDNA型判定を行ったところ、2つの異なる細胞に由来するDNA型が存在した。そこで改めて、虎毛の色が濃い部分と薄い部分とからそれぞれ毛髪を採取して検査したところ、ちゃんと違う(血液の結果と一致する)2通りの雌細胞由来のDNA型を示した。さらに前年に生まれたSharp Oneが生んだ子馬(これが初子)と比較したところ、今回の子馬とは別の細胞からDNA型を受け継いだと考えられた。つまり、Sharp Oneでは両方の細胞から卵子が作られていたということになる。

今回の極めて稀な事象は2つの胚が融合して1つの個体となったこととして説明がつく。胚が融合すれば必ず虎毛となるとは言えないとしながらも、Dunbars GoldおよびSharp Oneにみられるような典型的なくっきりとした虎毛模様がキメラによって起こるとしても、おかしくはない。もし、胚のこうした挙動が虎毛を生み出すとしたら、双子の胚がを融合しやすくする遺伝子でもない限り、人が掛け合わせで虎毛馬を作り出すことは不可能だろう。しかも、その2つの胚が色違いの毛色をしていなければならない。鹿毛と鹿毛、栗毛と栗毛という組合せでは、融合しても虎毛にはならないからだ。可能性があるのは基本毛色とそれを薄めるdilution geneの組合せだ。今回のDunbars GoldとSharp Oneは、どちらもdilution geneとしてdunという遺伝子を持っていた。

Ceciliaは振り返る。貴重な勉強をさせてもらった。虎毛についていくらかでも光を当てることになった。



子馬のオーナー、Denise Charpillozは、Sharp Barcorderという名の子馬に別名として「Deuce」という名をつけた。Deuseは明るい栗毛馬で、キメラではなかったが、彼のおかげで貴重な現象を理解するきっかけとなった。もし、Deniseが虎毛の馬を作ろうと思わなかったら、このきわめて稀なキメラ馬どうしの掛け合わせは行われなかったし、世界中の遺伝学者が一生に一度あるかないかという機会は得られなかっただろう。そう考えると現実って面白い。

The American Quarter Horse Journal: 2006 February pp.52-55



http://americashorsedaily.com/one-in-a-million-part-1/

http://americashorsedaily.com/one-in-a-million-part-2/

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by HOOP | 2010-08-04 21:20 | Biology | Comments(0)
ゲノム解読からの新たな展開


サラブレッドの走力遺伝子検査の開発

 先頃、アイルランドで開催されたサラブレッド生産者団体の大会で前代未聞の発表が行われた。なんと、サラブレッド競走馬の距離適性が遺伝子検査でわかるというのだ。生産者にとっても、競馬ファンにとっても、最も知りたい情報はその馬が持つ素質であり、特に競走能力は最大の関心事であろう。アイルランドでは大学の研究者が新たに会社を設立し、検査サービスを開始するというのだが、彼らが根拠とする研究論文を読んでみると、例数は少ないものの論理に矛盾はなく、検査を希望する生産者、馬主が試料を持ってきてくれることで例数を増やしていけば、さまざまな統計学的検定にも耐えるデータが蓄積できるかもしれない。また、今回みつかった変異が、どのような仕組みで距離適性に関わっているのかについては、全くわかっていないが、これについても、状況証拠と例数を積み重ねていくことで、その機構を解明する手がかりが得られるかもしれない。

 翻って我々の研究をとりまく環境はどうだろうか?ゲノム解読が終わった時点で、次の展開はなにかといえば、遺伝子発現を網羅的に調べるためのDNAチップや、一塩基置換多型を多数同時検出できるDNAチップが開発できる。前者は臨床、生理など、あらゆる分野の基礎研究に役立つであろうし、後者は遺伝子探索を大幅に加速し、毛色などの表現型のわかりやすい形質だけでなく、疾病や能力など、いろいろな形質の遺伝子探索に応用できるということであるが、これらの技術を導入するには、高価な機器や試薬が必要であり、民間会社の委託サービスを利用したとしても試薬のコストはバカにならない。従って、研究資金の裏付けがなければ着手できない研究ということになる。さらに試料の集め方にも問題がある。当然のことながら、馬の所有者および管理者の同意なくして研究目的の試料採取はできない。一部の人たちの理解を得て試料を集めたのでは、十分な頭数を集めることができない上に、所有馬が研究対象となるかどうかで関係者に不公平感を抱かせるようなことがあってはならない。一方、JRAには研究を遂行する上で大変有利な点もある。過去20年以上にわたって蓄積してきた医療情報データは、病名別、部位別にデータベース化され、統計データとして利用しやすく、血縁データとのリンクもできるからだ。世界がゲノム解読後の研究に注目している今、このメリットを活用しないまま、競走能力や遺伝性疾患の研究で諸外国に遅れをとってはならない。





A Sequence Polymorphism in MSTN Predicts Sprinting Ability and Racing Stamina in Thoroughbred Horses

 ニュース等でも紹介されているが、アイルランドの研究者がミオスタチンと呼ばれる蛋白質をコードする遺伝子のゲノム塩基配列内にある一塩基の違い(遺伝子多型)を調べることで、サラブレッド競走馬の距離適性を判定できる可能性があると発表した。
 ミオスタチン遺伝子(MSTN)の変異は牛や犬などの骨格筋過形成、いわゆるダブルマッスルと関連づけられ、ドッグレースの主要な品種のひとつ、ウィペット種の犬では、2つあるMSTNの一方のみが変異型であるヘテロの個体は、両方とも野生型のホモ個体よりも競走能力に勝るが、両方とも変異型のホモ個体では筋肉量が多すぎてかえって劣るとされる。サラブレッドの特徴として、全体重に占める筋肉の割合が高いことが知られており、競走成績に基づくサラブレッドの改良が筋肉の形成に関わる遺伝子に対する選抜となっていた可能性は高い。事実、著者らは網羅的解析の結果として、サラブレッド種では筋肉の発達に関係する遺伝子に選抜による淘汰圧がかかっていたことを2009年の論文で報告している。今回の論文では、アイルランドのサラブレッド種競走馬を用いて、個々の馬が最もよい成績をあげた競走距離と馬MSTN内のアミノ酸をコードしないイントロンの部分にみられた変異とが関連づけられることを報告している。方法としては、個々の馬が生涯を通して勝った競走の中で最も格付の高い競走の距離をいくつかに区切り、遺伝子型の判定結果とどれだけ一致(association:連関)するかを調べた。その結果、問題の部分(g.66493737C.T)のDNA型がC/Cタイプの馬は短距離、C/Tタイプは中距離、T/Tタイプはより多くのスタミナを必要とする競走に向いていると考えられた。ただしこの連関が有意となるのは、グレード競走や選抜競走といった、高い格付けの競走で勝った馬についてであり、下級条件の馬を考慮に入れると、必ずしも有意とは言えなくなる。
 いずれにせよ、競走成績とゲノムDNA多型との直接の連関をデータとともに具体的に示した最初の論文として注目しておく必要があるだろう。






ねぇ、サトっち


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by HOOP | 2010-02-15 19:15 | Biology | Comments(0)
トウキョウサンショウウオ
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今日は栃木県立博物館で行われたシンポジウムに


トウキョウサンショウウオは、関東地方にしかいない希少種ですが、
私もあまり関心がなく、保護に積極的に関わることは
難しそうな気がしていたのですが、

今日のシンポジウムに参加してみたら、意外にも
やることはたくさんありそうだと思いました。


県北で、精力剤や観光客向けの珍味として大量に採取されている
ハコネサンショウウオなど、渓流性のサンショウウオとは
別の話だということが理解できたのが最大の収穫でした。


サラマンダーを食べてみた

爬虫・両生類ビジュアルガイド イモリ・サンショウウオの仲間—有尾類・無尾類 爬虫・両生類ビジュアルガイド イモリ・サンショウウオの仲間—有尾類・無尾類
(2005/09)
山崎 利貞松橋 利光

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食べるのはこちら


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by HOOP | 2010-02-07 23:46 | Biology | Comments(0)
おかあさん、あなたは白? それとも黒?



子連れのサイは危険だと話してくれたのは、
クルーガー国立公園レンジャーのスティーブ、
早朝、徒歩でサファリハイク、
彼と助手、二人のレンジャーは護身用に
実包を装填したライフルを持っており、
彼が話に夢中になっているときでも、
助手は常に周囲の動向に眼を光らせる。

小高い丘を下りながら、数百メートル離れたところに、
子連れのクロサイを発見したスティーブは、
なるべく近付けるようにと「静かに」と言いながら説明を始める。

シロサイはさっさと逃げるので、子供はあわてて追いかける。
ある程度の距離まで行って振り返り、子供を待つのだそうだ。

一方、クロサイは、子供に逃げるよう促し、
追い立てるようにして逃げるが、所詮は子供の速度、
子供がある程度の距離まで離れると、
やおら振り返り、こちらを見る。
このとき、こちらが深追いしていたりすると、
向かって来るのだそうだ。


似ているようで、意外と違う二通りの行動、
愛情はどちらも変わらないと思いますけどね。





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by HOOP | 2009-12-06 13:30 | Biology | Comments(2)
犬が名前を呼ばれるとき
イヌ好きが気になる50の疑問 なぜ吠えるの?ダックスの足が短いのは?人の言葉はどこまで理解できるの? (サイエンス・アイ新書 24) イヌ好きが気になる50の疑問 なぜ吠えるの?ダックスの足が短いのは?人の言葉はどこまで理解できるの? (サイエンス・アイ新書 24)
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家族がそれぞれ、違う方法(名前)で呼んでいる、と思ってるはず。

というのが今日の演者である養老孟司さんの話。

もの言わぬ動物たちは絶対音感の世界にいるから、
お父さんが自分を呼ぶ声と、お母さんが自分を呼ぶ声は、
音程が違うので、同じ声とは認識できるはずがない。

そうかなあ、と思いつつも、
イントネーションに鈍感な人達をみるにつけ、
ヒト(の大多数)は、絶対音感を捨てようとしてきたのだと
以前から思ってきたことが、頭をもたげてくるのだった。


絶対音感に厳密であれば、言葉にも音程による差異が発生し、
意思疎通に支障をきたす。
だから、ヒトは声の音程に無頓着になる必要があったというのだ。

私自身、異論はあるが、面白い見方であるとは思ったし、
ヒト以外については、真実を衝いている可能性は高いと思った。



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by HOOP | 2009-09-27 00:55 | Biology | Comments(6)