群馬大学医学部の入試で不合格となり、情報開示を求めたら試験の成績は合格点に達していた。
それではなぜ自分は落ちたのか、と食い下がったら「総合的に判断した」と言われたらしい。
この主婦が、どのような動機で入試に臨んだのか、
卒業後の進路をどのように計画していたのか、
こうしたことがわからないうちに意見を述べると危険かと考えていたが、
東京新聞が、前後の事情も含めて、本人の実名入りで報じてくれた。
向学心を阻む“年齢の壁” (東京新聞)
発端は自分の父親に対する高齢者医療のあり方に疑問を抱いたこと。
家族の理解も得られ、もともと慶応大学工学部の出身であった彼女は
30年間の専業主婦生活から、受験勉強と主婦生活を両立させ、
受験先も自宅との距離を考えて決めたのだという。
もちろん、自分が高齢であることも意識したが、
高齢(62歳)の国家試験合格者の記事を新聞で読み、決心したのだそうです。
高齢化社会と言いながら、高齢者の雇用についてはほとんどの企業が門戸を閉ざしている。
しかし、平均寿命が70歳を越え、年金財源もおかしなことになっているというのに、
社会がいつまでも高齢者を無視し続けるのはいかがなものか。
たとえば私は現在の職場に勤め続けたとしても、勤続トータル約30年で定年を迎える。
60歳が停年というわけなのだが、
75で死ぬとしても、まだ15年は生きなければならないわけで、
そのすべてを年金で寝たきり生活をするなんて誰も思わないだろう。
今回の訴訟はあくまで入試をめぐる群馬大学と主婦との間の問題だが、
ことは教育や医療の問題には限らない、
高齢化社会で想定されるすべての問題に対する、
われわれの意識を問われているのかもしれない。
東京新聞の記事情報をお知らせいただいたう〜ん・・・さん、
どうもありがとうございました。
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