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こまかいことにこだわってみるのもいいかもね (2003年8月クルーガー国立公園 Photo: E. Bailey)
by HOOP
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HOOPってこんな奴
 かつてスキンの絵柄が女性だったからといって女性が書いてるとは限らないだろ。これが意外どころか、そのものズバリの脂ぎった中年男だったりするのだ。まあ、気持ちだけはいつまでも14歳くらいだったりするんだけんども、そんなこと言われたって気味悪いだけだろうしな。

 あ、そういえば、ブログホイホイに捕獲されちゃいました。アクセスアップだけじゃなくて、けっこう面白いブログに出会えるから意外と使えるかもね。

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自衛隊のリアル(3)
 
自衛隊のリアル
自衛隊のリアル
posted with amazlet at 15.09.07
瀧野 隆浩
河出書房新社
売り上げランキング: 22,788


著者、瀧野隆浩さんの書いた文章です。

・・・・・・・・・・

「自衛隊のリアル」という本について、「あと1回だけ書く」と宣言していたのに、書かずにずるずると今日まで来てしまいました。もうこの本の内容に触れて宣伝めいたことを書くのは今回限りとします。最終回は、自衛隊についてどう考えたらいいのか、私自身で「フローチャート」のようなものをつくってみました。うちの家人以外は誰も褒めてくれなかった(家人は「ここはオモシロい」と言いました)ので、最後にこれについて触れて、シメたいと思います。最初に申し上げておきますが、長いです、たぶん。

 うんうんない知恵をしぼってつくりあげた前提として、私には危機感がありました。昨年7月1日までは、自衛隊に対しては国民の「いい感じ」がありました。内閣府の世論調査では「良い印象を持つ」という人が92・2%ですから。信じられない数字でした。これは3・11でがんばった影響も当然あるのでしょうし、なにより危険が伴う海外派遣で何事もなかった(内実は本当にヤバかったのでしょうけど)のが大きいと思います。「国防」という主任務が前面に出てきたら話は違ってくるのでしょうが、それでも9割以上というのは驚異的な数字です。

 これで、このまますーっと戦後、ずっとあった「嫌軍」感情が払拭されたかな、と思っていたら、安倍政権の集団的自衛権「行使容認」の閣議決定でした。あれっと国民は思ったはずです。なんかしらないけど、決まってら、と。そして、年末の解散総選挙。テーマは「消費増税の開始延長」です。これで「多数を確保」(決して圧勝ではない)して、今年の春は統一地方選に配慮して、ぐずぐずしていて、与党内で決めて、アメリカに行っていきなり「夏までには」と公約のように約束して、そのあと、法案提出です。国会審議が始まったら、いろいろボロが出た。きわめつけは違憲批判です。これで国民世論に火がついた。今国会でやる、と政府は言ってますが、全国で反対でもが繰り返されているというのが現状です。

 私が危機感を持ったといったのは、世論が嫌軍感情に戻ってしまったかもしれない、ということです。60年がんばってきた自衛隊への信頼感から、国民が自分の国くらいは自分で守つてもいいかな、とようやくなってきたところに、政府がズルをしたもんだから、不安や不信感が噴出してきた。政治家というものは、国というものにとって大事なことがあったときは、国民を説得しなくてはならない、そのためには政党政治ですから、政党間の合意が必要だった。「そんなの関係ない」ということで、自分たちの考えだけで推し進めようとかるもんだから、国民は根源的な「ヤバいかも」という問いかけをし始めた、というところなのではないでしょうか。

 だから、危機感があるんです。逆ブレしてはいないか。戦争法案反対と自分の頭で考えて主張するならいい。でも、ではどうするのか。これまた、自分の頭で考えてほしい。私、防大4年間、ずっと考えてきました。黙っていれば、自衛隊幹部にしてくれる教育機関です。だから、考えない、ということはありえなかった。それで、ずっと考え続けていました。20歳前後の4年間ではまとまらず、やっといま、安倍さんに「刺激」されて、考えたのが次のフローチャートでした。

 ここまで書いてしまったら、もう誰も本なんか買ってくれないだろうと思いつつ、やっぱり、安保法案が成立する前に、これを書いておきたかったんです。

 × × ×

◆「平和」 のためのフローチャート◆

【ステップ①】(前提)
(問い)自衛隊を認めますか?
A:認める        → ステップ②へ
B:認めない       

<コメント>
 いきなり感がありますが、とりあえず聞いておかなきゃと。認めなくてもいいんです。認めない人に「ではあなたはどうやって、自衛しますか」と聞きたい。ここは前提を聞いたわけですから、質問自体をパスしてもらってもかまいません。

【ステップ②】(個別的自衛権)
(問い)自分の国が他の国から侵略されそうになったとき、自衛隊という組織に対処を委ねますか?
A:委ねる        → ステップ③へ
B:委ねない

<コメント>
 「侵略されないようにする」というのはダメです。それは原発造るときに、「地震は起きない」というようなものです。攻めてきたときどうするか。大規模侵略はほとんどない、かもしれない。だとしたら、私が本の中で書いたような、某国の工作員が不審船で自分の家族とか恋人を拉致しようとしたらどうしますか。もちろん、警察もがんばる。だけど、それがダメだったら。自衛隊は嫌いだから、私は耐える、というのもありでしょう。さらに、お願いしたいのは、その耐えるという宣言が自分だけの個人的な宣言だけでは不十分で、多くの国民に同意してもらう、その具体的な方策も示してほしいです

【ステップ③】(グレーゾーン事態対処)
(問い)平和な平時と、戦争状態となる有事の間に、どちらともつかないグレーな領域が存在します。このとき、自衛隊を出せるようにするか、どうか?
A:自衛隊を出す     → ステップ④へ
B:あくまで警察・海保で対処させる  

<コメント>
 日本の法律では、戦争は基本的にはできないことになっていますから、「有事」と認定して自衛隊が出動できる防衛出動なりが発令されるまでにはかなりの時間と手続きが必要です。それまで待っていると、事態は悪化します、間違いなく。平時と有事の間をグレーゾーンといっていますが、ここの法的整備が進んでいません。
 自衛隊の人と話していると、このグレーゾーン、つまり、平時に分類される時間において、米軍と「日本を守るために共同対処させてほしい」というのが、最大公約数です。自衛官は、ずっと前から、安倍さんの「ペルシア湾掃海」の事例などには冷淡でした。「総理がおっしゃるのなら、やるんでしょう」と。自衛隊も実は、世界に打って出たい、と思っている人は少ない感じです。あ、あとで出てくる集団安保はちょっと違いますけど。

【ステップ④】(集団安全保障)
(問い)国連は、他国を侵略するなどした国に対し勧告し、経済制裁をしたり、それでも聞かない場合は、国連軍や多国籍軍を編成して武力行使をすることを決めていますが、日本はこれに参加すべきでしょうか?
A:参加すべき          →ステップ⑤へ
B:参加すべきでない       →ステップ⑤も検討へ

<コメント>
 戦争行為は国際法違反である。でも、第二次大戦後、国際社会は戦争をしないために、国連というものをつくりました。で、国連が取り決めているのは、紛争解決は国連でやる、と。まず勧告し、経済制裁し、それでもだめなら国連軍をつくる、と。わかっています、本質的な国連軍はつくられたことがないし、常任理事国の思惑で機能しないのが現状だから、無理だと。ええ、そのとおりです。でも、論理の流れはこうでなければなりません。これは考え方の流れを示しているものです。機能不全の問題は、流れを押さえたうえで、別問題として考えたいです。
 首相の私的諮問機関「安保防衛懇」も集団安全保障への積極参加をちゃんと提言していますが、安倍さんはなぜか、こちらをパスして⑤に行ってしまった。なぜなんでしょうか。わかりません。だから、ここでの答えは変則的に「B」でも、⑤にあがってもらいます。
 もちろん、④のステップを登ったとしても、武力としての自衛隊を出すのかどうか。たとえばPKOにどう関与するかなどで、また別の問題が出てきます。駆けつけ警護をやるのかやらないのか、自衛官の法的地位をどうするのか、など。そこは改めて考えましょう。

【ステップ⑤】(集団的自衛権)
(問い)歴代内閣は「集団的自衛権の権利は持っているが行使しない」としてきましたが、安倍首相が今回、新安保法案で行使容認を目指しています。賛成ですか?
A:賛成
B:反対

<コメント>
 国連憲章では、集団安全保障が機能するまでの「過渡的な対応」として、集団的自衛権を認めています。あくまで、「過渡的」。それを使うか使わないかは、各国が独自の判断でやればいいのです。あえて言いますが、だからこそ、ここまで来るためには、正式な手続きを踏んで、具体的には憲法改正の手続きを踏んでやらなくてはならなかったと、私は思います。歴代内閣が「行使しない」と言い続けてきたことを大きく変えるのですから。この変更と、「消費増税の開始時期の延長」とどちらが解散総選挙に値するかは、小学生でもわかりますよね。
 集団的自衛権行使容認すれば、対アメリカの地位は上がりますよね。それから抑止力についても間違いなく上がると思います。ただ、良いことには必ず不愉快なことも付随してくるのであって、それはたとえば、自衛官のリスクは高まります。リスクとは関係ない、言ってはいけないと思います。リスクはあるけれど、日本のためにやってきてくれ、と言わなくては。天秤にかけて、どちらがいいのか。

 × × ×
 
 なんの新しいこともありません。自衛権の流れというものを、いまの国会審議に即して考えてみただけです。やりながら、「もうこれ以上、自分は上にあがらない」と決めたときに、自分の意見を宣言すればいいんです。グレーゾーンくらいまでならいいと思います、理由は△△ですから、とか、いや、やっぱり国際情勢は激変しているのだから、安倍さんのいう意味はわかる、だから改憲だよね、とか。

 もちろん、本にも書きましたが、55歳の私は、自由な発想はないし、壮大な構想力も持ち合わせていません。インターネットを自在に操るいまの若い人たちなら、こんなコンサバティブなほこりのついた考え方ではなく、国境を越えた、平和・秩序維持の方策をもっていらっしゃるかもしれません。その方は、もうステップうんぬんなんて「アホか」ということで、堂々と説明してください。ぜひ、聞きたい。だから、「軍隊はダメだ」「戦争はイヤだ」とまず思うのは仕方ないにしろ、それから、周囲を説得して、本当にいい社会をつくろうではありませんか。私のこんな、いまあるも社会資産を利用しただけの、凝り固まった考え方ではなく、もっと自由に。よろしくお願いします。

 あー、脳みそ使いすぎて、もう署名原稿を書く気力がなくなってしまった………どうしよう……………。


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by HOOP | 2015-05-07 22:25 | Reading
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