私は小学生の頃、母の日が来るといえば、
「おかあさんありがとう」と書かれたリボンの付いた
赤いカーネーションのバッジ(造花)を買わされた世代です。
お母さんがいない子もなぜか、白いカーネーションバッジを買わされていました。
その造花を買うためには事前に、学校に何十円かのお金を持って行くのですが、
そのお金は母親からもらうという、大きな矛盾に気づいた生徒は多かったでしょう。
物心ついた頃、というか、もっと成長して中高生の頃、
生花店で母にカーネーションを買おうと思っても、
とても高価で手が届かなかったと記憶しています。
しかも、5月のこの時季にはさらに値上がりしたものです。
今ではスーパーマーケットの店頭に、
カーネーションの花束が山ほど並ぶようになったのですね。
母はありがたいことに今も健在ですが、25年前に父が身罷って以降、
ますます親孝行らしいこともできずにいます。
そんな私でも、わが息子には末永く母親を大切にして欲しいと願うのですから、
人間とは実に身勝手なものではあります。
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