「中日春秋」は中日新聞の朝刊コラムですが、
本日の朝刊に掲載されたコラムは大学入試問題の形式を借り、
非常に意味深い主張をしています。
中日春秋 受験生にはそんな暇はなかろうが、国会中継を見ていて、文部科学相が大学入試の出題者だったら、どんな難問を出すだろうかと想像をめぐらせた。昨日の衆院予算委では文科相自身の「政治とカネ」をめぐる論戦があった。そこから出題するならば、こんな問題だろう
▼【設問1】A大臣は後援組織であるB会の講演会に行った。大臣は「車代は一切いただいていない」と明言したが、この発言の解釈として正しいのは、次のうちどちらか? (1)タクシー代は払ってもらっていない (2)タクシー代は払ってもらった
▼正解は何と、(2)だ。B会はタクシー代をA大臣に払ったわけではなく、タクシー会社に払った。ゆえに大臣自身は「車代はもらっていない」ということらしい
▼さらに言うなら、『新明解国語辞典』によると「車代」とは<自動車などに乗った時の料金>であるが、<狭義では、わざわざ出張して頭脳的な仕事をしてもらった事に対する謝礼として出すお金>を指す。その手の謝礼は受け取っていないそうだから、「車代はいただいていない」との発言は事実に即しているという
▼【設問1】の出題意図は「単純明快そうな文にも、思わぬ意味が罠(わな)のように潜むから、言葉の定義を丁寧に確かめつつ読む必要がある」ということだろう
▼【設問2】右記のような弁明は、通常は何と呼ばれるか?(1)雄弁(2)能弁(3)詭弁(きべん)
(2015年3月4日)
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