ポルトガルの定置網に入ったクサビフグの群れ。
すごいスピードで泳いでいますが、
実はマンボウの仲間(笑)
こんな動画はとっても珍しいそうです。
クサビフグ(ユーラシア大陸果ての定置網)
待望。ついにゲットです。「クサビフグ」の、しかも群れて泳ぐところの撮影に成功しました。
学名 Ranzania laevis、 英名 Slender sunfish (Oblong sunfish)、 ポルトガル名 Peixe lua comprido、 和名 クサビフグ です。
20尾ほどの群れが定置網に入りました。泳ぎはとても敏捷で、箱網内での遊泳パターンは、どちらかといえば、ソウダガツオに近いように思われました。早い泳ぎはマンボウの例から見てもある程度の予測はしていたのですが、こんなに早くとはちょっと意外です。そして、"群れ"です。今までの入網はいつも1尾でしたが、最近は毎日のように数尾ずつ入っていたので、そんなこともあるんだ、ぐらいにしか考えていませんでしたが、こんな群れをつくるとは、これも予想外でした。
これでは、活魚は難しいですね。
そして、"カツオを髣髴させる青色" は、まさにそのとおりでした。というか、この魚は、どちらかといえば、マンボウより、カツオ類に近いのではないかと思いました。
「クサビフグ」の遊泳をとらえた動画は、世界初(!?)公開かもしれません。
珍しい魚の記録(三重県水産研究所 おさかな雑録 No.39 クサビフグ 2011年2月17日)
先日紹介したヤリマンボウが縁で、大学の研究者からいろいろとお問い合わせをいただくことがありました。それで過去のマンボウ類の出現状況を見直していたところ、珍しいといわれるクサビフグの写真が出てきました。クサビフグはご覧の通り細長くなったマンボウといった姿をしており、とても印象深い魚です。当時のメモによると、クサビフグは2週にわたって巻き網で混獲され、あわせて10個体以上が確認されています。初めてみたときは「おおっ」と思ったものの、次の週にはそれほど感動もしなかったことを覚えています。しかし、確かに漁業者はこれほど見かけることは珍しいと言っていました。
当時担当者は市場調査の1年目で、初めて見る魚がたくさんありました。そのため初めて見る魚であっても珍しいかどうかの判断ができなかったのですが、クサビフグはそれ以降まったく見かけません。今回改めて記事にしてみて、やはりあの時は非常に希な経験をしたのだなとしみじみ思い返したのでした。
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