鳥インフルエンザは世界にとって最大の脅威=米CDC所長
ロイターからのニュースですが、米国CDCの所長であるジュリー・ガ-バーディングが
the American Association for the Advancement of Science
(英国の Nature とよく比較される米国の雑誌 Science を発行する学術団体)の
会合で見解を披露したという。
CDCというのは the Centers for Disease Control and Prevention といって
疾病の予防と抑止に当たる機関で、生物兵器などによる攻撃に対しても準備をする
国家の安全保障にかかわる問題として疾病対策を練っている国には必ずある機関。
どういうわけか日本にはないんですけど、この機関の長が科学的な議論をする会合で
こうした見解を述べたのは、とても重要なことだと考えなければなりません。
彼女は、現在の状況を1918年の大流行(pandemic)前夜に喩えて警告しています。
早急にワクチンを開発して大量生産のラインに乗せないと、とんでもないことになる、
というわけです。
実際にそのとおりになるかどうかは別ですが、上記リンクのエキサイトニュースは
なんとものんびりしたものです。
ロイター配信のニュースはもっとずっと中身が濃く、
読み応えがありましたよ。そもそも危機感が全然、伝わってこないじゃないですか。
厚生労働省も現在進行形のインフルエンザ発生対応で忙しいでしょうけど、
やっぱり、必要な対策は練っておいて欲しいと思います。
来週は国内でも関連の学術集会がいくつか計画されていますね。
「ウイルス感染とその戦略的防御」公開シンポジウム」
2月28日 東京ガーデンパレス
「第19回インフルエンザ研究者交流の会シンポジウム」
3月2日~4日 倉敷アイビースクエア
時を同じくして、というか若干早く、ベトナムのホーチミン市では
今日と明日の日程で、世界の専門家会議が開催されているそうですね。
【鳥インフルエンザ】ホーチミンで国際会議 (まもあんのタイニュース)
一方で、
中国は鳥インフルエンザウイルスの予防に使う鳥用ワクチンを認可したという
ニュースも伝えられています。
記事を読んでみると、どうも生ワクチンらしい。知り合いの解説によると
ウイルスが増殖しないようにしてある「不活化ワクチン」よりも、
病気を起こさないようにしてあるがウイルスは生きている「生ワクチン」を
共産圏では昔から好んで開発する傾向にあったそうですが、
今回、認可されたことで、生産の規模にもよるが、
できるそばからどんどん接種することになるのでしょう。
増殖性のあるワクチンが本当に安全と考えてよいのかどうか、
科学的なデータを見てみたいと思うのは私だけではないと思います。
★BBCニュースにも関連の話題がありました。
Bird flu 'has pandemic potential'
米国CDCのインフルエンザ専門家ナンシー・コックス女史がBBCのインタビューで、
冒頭の記事内容とほぼ同じことを述べてますね。