王子稲荷神社では毎年、初午の日に縁日がある。
今年は2月9日だったそうで、
たしか、その日にテレビのニュースかなにかで知ったと思う。
父はこの初午祭に、ほとんど毎年通っていたが、
多分、自転車で行っていたんだろう。
連れて行ってもらったことがあるのかどうか、
実はさっぱり記憶がない。
あったとしても、小さい頃に一度か二度ということなのだろう。
父はいつも、火防凧(小さな奴凧)を買ってきて、神棚に置いていた。
近所で火事が起きたときには、これを上げて、風向きを知るのだ。
そういう説明をしてくれたものだ。
でも、小さいし、その当時近所の店で売っている角凧ですら、
上げるにはちょっとした経験と技術が必要だったので、
そんなものが上げられるわけがないと思ったものだが、
子供たちがそう思っていると知るや、
あるとき、たしか正月だったと思うが、
父は奴凧を神棚から降ろし、尾を付けて荒川の河川敷へ。
それは見事に、上げてみせてくれたものだ。
そのとき、読売新聞のカメラマンがいたようで、
父と弟の写真が翌日の新聞に掲載され、
新聞社からも連絡があったということも憶えている。
甘いものが好きだった父の土産は、くずもちと決まっていた。
それも楽しみだったのは言うまでもない。
ちなみに、きなこは使わずに黒蜜だけかけるのは
家族の中で私だけだった。
まちを元気にする達人たちFILE046 石鍋秀子
王子稲荷のくずもち : 石鍋久寿餅店 [食べログ]
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