区役所で用を済ませた後、ひばり御殿の跡地を見に行こうと思った。
坂の下でバスを降り、坂を徐々に上って行くが、
「間坂」というのは旧町名らしく、全く手掛りがない。
途方に暮れてネット検索でもかけようかと、
磯子山手町会の掲示板を前に佇んでいると、
後ろから「おはようございます」と声を掛けられた。
「おはようございます」と振り返れば、私より少し若そうな女性が
「防犯」の腕章に地味な作業服風の服装で立っている。
「なにかお探しですか」
「旧町名だと思うのですが、『間坂』というのは」
「このすぐ先の信号が『間坂信号』で、左に下ると交番があります。
そこで訊かれるといいですよ。」
「交番というと、16号線ですか?」
「そうです」
「なるほど。
実は『ひばり御殿』があった場所に行きたいのですが」
「それなら坂をそのまま上ったところです。
今は『ニックハイム』になってしまいましたが。」
「『ニックハイム』というと、マンションですか?」
「はい、マンションです」
「どうもありがとうございます」
「暑いから、お気をつけていらしてください」
ふむ、まだ上だったか。
しかし、一つも無駄な道を歩いていないのはなによりでした。
まず、彼女の言っていたものらしい信号があるが、地名表示はない。
築年の古そうなマンションが次々現れるが、名前は違う。
やがて、「韓国教育会」というのがあって、
そこを過ぎると、行く手のマンションの屋根に「ハイム」の文字。
全体が見える場所に来たら「nicハイム」と書いてあった。
さっきの女性に会わなければ絶対にわからなかっただろう。
いやいや、これはマンションとしても、決して小さくはない、
堂々たるマンションでした。
3枚目の写真はトイザらスの屋上駐車場(現在、屋上のみ閉鎖中)
から撮影しました。
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