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こまかいことにこだわってみるのもいいかもね (2003年8月クルーガー国立公園 Photo: E. Bailey)
by HOOP
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HOOPってこんな奴
 かつてスキンの絵柄が女性だったからといって女性が書いてるとは限らないだろ。これが意外どころか、そのものズバリの脂ぎった中年男だったりするのだ。まあ、気持ちだけはいつまでも14歳くらいだったりするんだけんども、そんなこと言われたって気味悪いだけだろうしな。

 あ、そういえば、ブログホイホイに捕獲されちゃいました。アクセスアップだけじゃなくて、けっこう面白いブログに出会えるから意外と使えるかもね。

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虎毛(とらげ)の話
虎毛(とらげ)の話_b0002954_511771.jpg


今年の干支は寅年、という話題は8月にもなればすっかり季節外れ。かといって来年の干支の話にはまだ早いので、「虎」にかかわる話をしてみよう。

馬の毛色にも「虎毛」があることをご存知だろうか。日本では辞書に、とら-げ【虎毛】②馬の毛色。全体が薄墨色で、虎の毛のような斑紋のあるもの。(広辞苑 第三版)とあるように、古くはグレーがかった馬で色の濃淡が斑紋になっているものを言った。そのため、「連錢葦毛ハ虎毛(とらげ)馬也。色青黒(あをくろ)にして銭(せに)を併(なら)へたるごとき斑文(はんもん)あり。」〔『庭訓往來精注鈔』三十六ウ一〕のように、虎毛は連銭芦毛(れんせんあしげ;円形の淡色部分が連なった斑紋を形成する芦毛、英語でdappled gray)のことだと決めつける書物もある。大陸には虎毛の馬が実在しても日本にはいないため、文字で書かれた特徴に近い毛色を当てはめたのかもしれない。

さて、英語ではbrindleと呼ばれるこの「虎毛」、馬の親子判定担当者にとっては厄介な毛色のようだ。そもそも、虎毛は犬や牛ではそれほど珍しい訳ではないが、馬では極めて珍しい毛色だ。米国で登録されたクォーターホース470万頭のうち、虎毛馬はたった15頭しかいない。また、虎と言えば、虎はもちろん、イエネコなどネコ科動物の鮮明な模様を思い浮かべるかもしれないが、虎毛馬にはシマウマのような鮮明な縞模様はない。濃い色と薄い色の被毛がまだらに交錯する様子は、猫よりは犬や牛の虎毛とむしろ似ている。今回の事例は、この珍しい虎毛の種雄馬と虎毛の繁殖雌馬、虎毛同士を交配するという、きわめて稀な組合せだったために起きたと言え、虎毛の原因についても貴重な示唆を与えるものとして紹介する。

2004年に生まれた子馬はカリフォルニア大学で行われた親子判定の結果、父親であるはずのDunbars Gold(虎毛)との親子関係ばかりか、母親であるはずのSharp One(虎毛)との親子関係まで「否定」とされた。判定用の毛髪試料を他の馬と取り違えたか、そもそも交配時に精液を取り違えたか(人工授精のため)、などの可能性を考慮したが、それらの取り違えはあり得ないにもかかわらず、再判定でも親子関係が否定された。相談を受けたCecilia Penedo博士は即座に、両親の極めて珍しい毛色に注目した。虎毛は珍しいばかりでなく、遺伝の仕組みもわかっておらず、虎毛の馬をかけ合わせて作出するのはほぼ不可能だからだ。

再検討はまず、父親であるDunbars GoldのDNA型検査から始まった。たてがみと尾の毛を使って2回検査を行ったが、2頭分のDNA型が検出されるという不可解な結果となった。そこで試料のコンタミを疑い、血液を試料として3度目の検査を行ったところ、ようやく1頭分となり、毛髪での結果と一部が一致した。しかしここで、Ceciliaは妙なことに気づいた。Dunbars Goldの判定結果は、性染色体に関係するマーカーが雌馬のパターンを示していたのだ。そこで、毛髪を1本単位で再検査してみたところ、あるものは完全に雄、またあるものは完全に雌と、それぞれ1頭分、計2頭分のDNA型を示していた。この時点で、Ceciliaはこの種雄馬が本来は2頭の馬になるはずだった、キメラ動物であることを確信した。このようなキメラは、二卵性双生子になるべき2個の受精卵が、なんらかの拍子に胎内で融合することにより生じるという。その場合、体の部分によってDNAの型が異なるのだ。もちろん、極めて稀なことだが、キメラが生じることはヒトやネコなど他の動物種でも報告されている。一部が異なる2種類の細胞由来のDNA型は、いずれもDunbars Goldとその両親との間の親子関係を否定するものではなかった。また、Dunbars Goldの皮膚および毛髪はキメラだったが、生殖器官は明らかに雄の細胞由来のDNA型を示していた。さらに、これまでに誕生していた産駒を数頭調べたが、すべてDunbars Goldの2種類の細胞のうち、雄の細胞由来のDNA型を受け継いでいた。

次に、同じように極めて珍しい虎毛の母親、Sharp OneのDNA型について検討した。Dunbars Goldの虎毛がキメラに由来しているとすれば、Sharp Oneも同じようにキメラである可能性が考えられるからだ。しかし、Sharp Oneの毛髪検査ではキメラであるという証拠は得られなかった。もしやと疑って、血液のDNA型判定を行ったところ、2つの異なる細胞に由来するDNA型が存在した。そこで改めて、虎毛の色が濃い部分と薄い部分とからそれぞれ毛髪を採取して検査したところ、ちゃんと違う(血液の結果と一致する)2通りの雌細胞由来のDNA型を示した。さらに前年に生まれたSharp Oneが生んだ子馬(これが初子)と比較したところ、今回の子馬とは別の細胞からDNA型を受け継いだと考えられた。つまり、Sharp Oneでは両方の細胞から卵子が作られていたということになる。

今回の極めて稀な事象は2つの胚が融合して1つの個体となったこととして説明がつく。胚が融合すれば必ず虎毛となるとは言えないとしながらも、Dunbars GoldおよびSharp Oneにみられるような典型的なくっきりとした虎毛模様がキメラによって起こるとしても、おかしくはない。もし、胚のこうした挙動が虎毛を生み出すとしたら、双子の胚がを融合しやすくする遺伝子でもない限り、人が掛け合わせで虎毛馬を作り出すことは不可能だろう。しかも、その2つの胚が色違いの毛色をしていなければならない。鹿毛と鹿毛、栗毛と栗毛という組合せでは、融合しても虎毛にはならないからだ。可能性があるのは基本毛色とそれを薄めるdilution geneの組合せだ。今回のDunbars GoldとSharp Oneは、どちらもdilution geneとしてdunという遺伝子を持っていた。

Ceciliaは振り返る。貴重な勉強をさせてもらった。虎毛についていくらかでも光を当てることになった。



子馬のオーナー、Denise Charpillozは、Sharp Barcorderという名の子馬に別名として「Deuce」という名をつけた。Deuseは明るい栗毛馬で、キメラではなかったが、彼のおかげで貴重な現象を理解するきっかけとなった。もし、Deniseが虎毛の馬を作ろうと思わなかったら、このきわめて稀なキメラ馬どうしの掛け合わせは行われなかったし、世界中の遺伝学者が一生に一度あるかないかという機会は得られなかっただろう。そう考えると現実って面白い。

The American Quarter Horse Journal: 2006 February pp.52-55



http://americashorsedaily.com/one-in-a-million-part-1/

http://americashorsedaily.com/one-in-a-million-part-2/

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